パニッツァ スカラ座O メンデルスゾーン 交響曲第4番「イタリア」

日本VictorのSP。

パニッツァはスカラ座でトスカニーニと人気を二分し、メト時代でもヴェルディのスペシャリストとして活躍した指揮者。オペラでは密度の高い音でテンポよく進む演奏が多いようだが、ここでは珍しい交響曲と管弦楽曲。全曲録音したので再更新

推薦度:★★☆☆☆☆☆ 冷静に考えると録音からしても推薦しにくいか
秘蔵度:★★★★★★☆ なんといってもオペラ以外のパニッツァの記録は貴重ではないか

メンデルスゾーン 交響曲第4番「イタリア」 (Mendelssohn Symphony No.4)

指揮:エットーレ・パニッツァ ミラノ・スカラ座O (Cond.: E.Panizza, Milano Scala O)

オペラでの推進力はどこえやら。なんとも慎重というかテンポがじっくりしたものになっていて前に進まない感じ。特に終楽章の遅さは尋常ではない。しかしながら駄演というわけではなく、スカラ座のオケをまとめ、指揮者の意図が隅々までいきわたっている感じ。また歌い方はさすがに上手く盛り上げ方など全体設計は悪くなく、むしろ最近はテンポよくサクサク進む演奏が多いので、今聞くと非常にユニークな演奏となっている。とにもかくにも交響曲の録音はほとんどなさそうなパニッツァの演奏というだけで貴重だろう。

その1
その2
その3
その4
その5
その6
その7

メンデルスゾーン 劇音楽「真夏の夜の夢」~結婚行進曲 (Mendelssohn Wedding March)

指揮:エットーレ・パニッツァ ミラノ・スカラ座O (Cond.: E.Panizza, Milano Scala O)

交響曲より少し肩の力が抜けた感じがするオケの音。カチッとしていて、リズムが後押しされるので推進力というものはあまりないが、金管のファンファーレなど貧弱な音の中であってもカッコよく聞こえるし、全体的にあいまいさがない演奏で明るく清々しい。パニッツァの録音はライヴアが多く、スタジオ録音はほとんどないと思う。どんな雰囲気で行われたのか興味深いところ。