ゲール LPO シベリウス カレリア組曲~間奏曲、行進曲風に

英HMV。

推薦度:★★★★☆☆☆ シベリウスっぽくないがしっかりした演奏
秘蔵度:★★★★★★☆ ゲールの珍しいシベリウス

シベリウス カレリア組曲~間奏曲、行進曲風に (Sibelius Karelia~Intermezzo、Alla Marcia)

指揮:ワルター・ゲール ロンドンPO (Cond.: W.Goehr, London PO)

推薦度:★★★★☆☆☆ シベリウスっぽくないがしっかりした演奏
秘蔵度:★★★★★★☆ ゲールの珍しいシベリウス

ワルター・ゲール、コンサートホールレーベルを中心にかなりな録音を残した指揮者。没年は1960年となっているのでモノラルからステレオが普及し始めたくらい。それを考えるとかなり積極的に録音というものに携わったと思われる。レパートリーもモンテヴェルディからティペットまで幅広い。

その中でもシベリウスはかなり珍しい記録でっはないかと思う。なかなか両極ともカクカクとリズムを刻みすぎる感じがしないでもないが、大柄でおおらかな演奏。シベリウス特有のほの暗さというものは全くなくパーっと快晴。SPだけにそのあたりのニュアンスは実際のところどうだったかは想像で補うしかないが、そんな感じの演奏である。

前奏曲はその刻みが顕著で、均等に刻みスムーズさがなくかなりカクカク感があり、こんな演奏したら指揮者によっては激怒し、ダメ出しをされそうな感じではあるが、これはこれでそういう意味でも他にはない特徴があるとも言えて面白い。全体的に盛り上げ方がうまくスケールの大きな演奏となっている

行進曲のほうも垢ぬけて明るく、オケのメンバーが楽しく演奏しているような感じ。ただ躍動感というものがそれほど感じられるわけではなく、わくわく感はこちらには伝わらない。それでも細部にこだわらない柄の大きな演奏でなんとなく親しみの沸く演奏である。

前奏曲
行進曲風に