ツィリヒ ハンブルク・ムジカ・エト・リテラ シューマン 交響曲第4番他

デンマークのレコード。プレス時期は不明だが1960年代だろうか

常に雨が降っているような盤質が非常に残念だが、ユルゲン=ワルターの数少ない名演?が聴ける貴重なアルバム。メインはツィリヒのシューマンだがこちらは堅実な演奏。ともにオケは名前からして実在の団体か怪しいが、おそらく録音専用に編成されたオケだろう。

推薦度:★★★☆☆☆☆ 両曲ともまっとう、真面目だがあと一味欲しい
秘蔵度:★★☆☆☆☆☆ 盤質が残念ながら悪い

リスト 交響詩第3番「前奏曲」 (Liszt Les Preludes)

指揮:ハンス・ユルゲン=ワルター ムジカ・エト・リテラSO (Cond.: H.Jurgen-Walter, Musica et Litera O)

オケの質はそれほど高くないのはいつものことだが、ここではティンパニを中心にいざという時にしっかりまとまった音を出してくる。多少後押しのような部分も多々あって、野暮ったい感じはどうしてもしてしまうが、まっとうな演奏の部類に入る。ユルゲン=ワルターはオケに恵まれなかったのか、録音に恵まれなかったのか、実力がそれほどなかったのか、なんともわからない指揮者である。ソンドラ・ビアンカとのチャイコフスキーは雄大な伴奏をつけていたから、腕はあったのではないだろうか。

シューマン 交響曲第4番 (Schumann Symphony No.4)

指揮:ヴィンフリート・ツィリヒ  ムジカ・エト・リテラSO (Cond.: W.Zillig, Musica et Litera O)

広がりに欠けスケールが小さいがまとまりが良い。手堅い感じがして安心して聴けるもののもう一工夫欲しいか。盛り上がりと緊張感に少々欠ける印象。ただ三楽章だけは比較的音に力が入ってきてリズムに重みが入りなかなかよい。まあそもそもこの曲は難しい曲ではあるので並大抵の指揮者が挑んでもなかなかうまくいかないのではあるが。