英Columbia。スパイラル。1950年代中頃から後半のプレスだろう。

ウェルドンの解説付きポピュラーコンサート第三集。ここでも乗りの良い演奏を繰り広げている

推薦度:★★★☆☆☆☆ 真面目で四角いが勢いがある。
秘蔵度:★★★★★☆☆ ウェルドンの貴重な演奏

ポンキェルリ 歌劇「ラ・ジョコンダ」~時の踊り (Ponchielli Danza dell’ Ore)

指揮:ジョージ・ウェルドン フィルハーモニアO (Cond: G.Weldon, PO)

推薦度:★★★☆☆☆☆ 真面目で四角いが勢いがある。
秘蔵度:★★★★★☆☆ ウェルドンの貴重な演奏

幻想的な雰囲気をうまく出しながら、細やかな踊りの音楽を表現している。テンポも落ち着いていてウェルドンにしてはかなり穏やかな音を引き出している。テュッティでも弾力があり透明な和音を品よく出している。

ニコライ 歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」~序曲 (Nicolai Die lustigen Weiber von Windsor Overture)

指揮:ジョージ・ウェルドン フィルハーモニアO (Cond: G.Weldon, PO)

推薦度:★★★☆☆☆☆ 真面目で四角いが勢いがある。
秘蔵度:★★★★★☆☆ ウェルドンの貴重な演奏

温かみのある音だが、ドイツやオーストリアの音とは明らかに異なる。フィルハーモニアの分厚くも重くならない中低音、その上で伸びやかで流れるような高音のバランスがとても良いのはこの時期のオケの特徴。それをしっかり引き出せているウェルドンの腕の良さを実感できる。

シベリウス 交響詩「フィンランディア」 (Sibelius Finlandia)

指揮:ジョージ・ウェルドン フィルハーモニアO (Cond: G.Weldon, PO)

推薦度:★★★☆☆☆☆ 真面目で四角いが勢いがある。
秘蔵度:★★★★★☆☆ ウェルドンの貴重な演奏

イギリス人とシベリウスの相性の良さは常に感じるが、ウェルドンはその中でもシベリウスの記録がほとんどないだけに貴重。アレグロに入ってからの効果的な打楽器や節度を保ちながら輝かしい金管など中々バランスの良い演奏を聞かせてくれる。

メンデルスゾーン 「フィンガルの洞窟」序曲 (Mendelssohn Hebrides Overture)

指揮:ジョージ・ウェルドン フィルハーモニアO (Cond: G.Weldon, PO)

推薦度:★★★☆☆☆☆ 真面目で四角いが勢いがある。
秘蔵度:★★★★★☆☆ ウェルドンの貴重な演奏

無国籍風な音ではあるがフィンガルの洞窟には良くマッチする音色。テンポも遅すぎず速すぎず妥当なもの。表現の幅や旋律の納め方なども特殊な工夫はなく淡々と進む。それでもテュッティの威力はしっかりしたもので演奏自体はなかなか良い出来になっている。

サン=サーンス 交響詩「死の舞踏」 (Saint-Saens Danse macabre)

指揮:ジョージ・ウェルドン フィルハーモニアO (Cond: G.Weldon, PO)

推薦度:★★★☆☆☆☆ 真面目で四角いが勢いがある。
秘蔵度:★★★★★☆☆ ウェルドンの貴重な演奏

ソロヴァイオリンがうまく映える。そしてシロフォンの音との対話も楽しい。バカ騒ぎしない節度を保ちながらも音ははっきり鳴らし各パートの主張をしっかり引き出しているあたりはウェルドンとオケの相性の良さであろう。

サン=サーンス 歌劇「サムソンとデリラ」~バッカナール (Saint-Saens Bacchanale)

指揮:ジョージ・ウェルドン フィルハーモニアO (Cond: G.Weldon, PO)

推薦度:★★★☆☆☆☆ 真面目で四角いが勢いがある。
秘蔵度:★★★★★☆☆ ウェルドンの貴重な演奏

テンポ感はかなり慎重であまり動かさない。リズムをはっきり出しているので弾力がある。異国情緒という感じはあまり表に出さずに、音そのもの、音響そのものにこだわったような演奏。しっかりした迫力もあり、四角いが細部は意外と大雑把という面白い演奏でもある。