ウォーレンスタイン ロサンジェルスPO ブラームス 交響曲第1番

1950年代のアメリカBrunswickの盤。珍しい

推薦度:★★★★☆☆☆ 演奏は硬く、精度面で推薦はしづらい
秘蔵度:★★★★★★☆ 潔い颯爽とした演奏で掘り出し物。

アルフレッド・ウォーレンスタイン指揮 ロサンジェルスPO

推薦度:★★★★☆☆☆ 演奏は硬く、精度面で推薦はしづらい
秘蔵度:★★★★★★☆ 潔い颯爽とした演奏で掘り出し物。

ウォーレンスタイン、伴奏の録音が沢山残されているが、交響曲、管弦楽曲もそれなりに残している。ただいまは忘れ去られているものがほとんど。

確かに同時期、トスカニーニのNBC、ミトロプーロスのニューヨーク、セルのクリーヴランド、ライナーのシカゴ、ミュンシュのボストン、オーマンディのフィラデルフィアとものすごいコンビが多々あった中で、ウォーレンスタインとロサンジェルスはどうしても対抗するには難しい状況だった。でも演奏のレベルはいま聞いても高いことが良くわかる。

ロンドンの録音用臨時オケとの演奏も残されているが颯爽として引き締まった良い演奏を残している。ルービンシュタインとのショパンのピアノ協奏曲第1番の伴奏は素晴らしいと思う。

ちなみに同時期(1950年代)のアメリカは他に、モントゥーのサンフランシスコ、ラインスドルフのロチェスター、パレーのデトロイト、ジョンソンのシンシナティ、ミッチェルのワシントンナショナルと、考えてみたら凄い時代であった。

”ため”とか、テンポを緩めるようなところは極力排除して、とにかく強く硬く勢いのある音を出すことに専念しているのか、凄まじい熱気がスタジオ録音ながら感じられる。特に終楽章の最初のピチカートなどは、何でここまで、ガツンとさせてくるのか疑問も出てくるくらい。この頃のアメリカのオケはその方向で競い合っていたような気もする。はやりということだったのだろう。ロサンジェルスのオケは西海岸ではサンフランシスコと並んで名門オケの一つであり、実力はかなり高かったことがこの演奏を聴いていても感じられるし、ウォーレンスタインの確かな手腕も聞き取れる掘り出し物の記録と言える。

第1楽章その1
第1楽章その2
第2楽章
第4楽章その1
第4楽章その2