トルトゥリエ ラクロワ バッハ ダ・ガンバとチェンバロのためのソナタ集

1960年中盤の日本盤。音は悪くはない。

推薦度:★★★★★☆☆ 端正な曲集
秘蔵度:★★★★☆☆☆ 盤としては珍しくはないか。音源としても手に入りやすい

バッハ チェロとハープシコードのためのソナタ第一番 (Bach Sonata for Cello and harpsichord No.1)

Vc:ポール・トルトゥリエ、Cemb:ロベール・ヴェイロン=ラクロワ (Vc: P.Tortelier, Cemb: R.Veyron-Lacroix)

推薦度:★★★★★☆☆ 端正で厳しくないバッハもよい
秘蔵度:★★★★☆☆☆ 音源としても手に入りやすい

木目調トルトゥリエのチェロに穏やかなラクロワのチェンバロのバランスがとても良い。お互いに崩すことなく淡々と明るく進めていく。時にずり上がるポルタメントもあったりと、日本人のバッハ像には合わないためか、それほど注目されない演奏だが、聞きやすくて穏やかな気持ちにさせてくれる好演奏だと思う。

バッハ チェロとハープシコードのためのソナタ第一番 (Bach Sonata for Cello and harpsichord No.2)

Vc:ポール・トルトゥリエ、Cemb:ロベール・ヴェイロン=ラクロワ (Vc: P.Tortelier, Cemb: R.Veyron-Lacroix)

推薦度:★★★★★☆☆ 端正で厳しくないバッハもよい
秘蔵度:★★★★☆☆☆ 音源としても手に入りやすい

硬派な音色だが角がなくまさに木の楽器が鳴っている印象。バッハっぽくないが音楽に落ち着いて向き合える。ラクロワのチェンバロも控えめながら安定感があり尖らずにトルトゥリエにしっかり寄り添っていて聞きやすい。トルトゥリエもさぞ弾きやすかっただろう。

バッハ チェロとハープシコードのためのソナタ第一番 (Bach Sonata for Cello and harpsichord No.3)

Vc:ポール・トルトゥリエ、Cemb:ロベール・ヴェイロン=ラクロワ (Vc: P.Tortelier, Cemb: R.Veyron-Lacroix)

推薦度:★★★★★☆☆ 端正で厳しくないバッハもよい
秘蔵度:★★★★☆☆☆ 音源としても手に入りやすい

底光りするような木目のチェロと安定感のあるチェンバロのバランスがとても良い。テンポも聞きやすいし抑揚もつけすぎず、落ち着いて聞けるバッハである。トルトゥリエの技巧も安定していて音に張りがある。ヴェイロン=ラクロワもいつもながらに澄んだ音であまりバロック感を出さずに淡々としながらしっかり主張してくるところもうまい。