チェクナボリアン LSO ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」

デジタル運命と銘打ったたすき。まず目を引くのはチェクナボリアンが気の毒になるくらい録音のことばかり宣伝されているところ。確かに良い録音だが。

推薦度:★★☆☆☆☆☆ 正統な運命ではない
秘蔵度:★★★★★☆☆ 個人的には面白い運命

ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」 (Beethoven Symphony No.5)

指揮:ロリス・チェクナボリアン ロンドンSO (Cond.: L.Tjeknavorian, London SO)

推薦度:★★☆☆☆☆☆ 正統な運命ではない
秘蔵度:★★★★★☆☆ 個人的には面白い運命

リズムカルな演奏でバランスもかなり工夫しているが全体的にせわしなく聞こえてしまうが、楽しい運命はなかなかない。ショルティのウィーンフィルと同じような弾力のあるスピード感覚だが、印象はかなり違うのも面白いところ。面白さで言ったらこちらのほうが断然勝ち。こうしたスピード感を出す際にはオケの統率があってこそなしえるものだが、この演奏では各奏者のノリを重視して立ってジャンプしながら、踊りながら演奏しているようなそんな感じ。オケがチェクナボリアンの出身のアルメニアフィルだったらさぞ爆演になったであろうと思うがロンドン響が妙にうますぎる点がこの演奏をまっとうなものに近づけすぎてしまい焦点をぼやかしてしまっている。バティスと同じで、イギリスのオケよりもメキシコのオケとのコンビのほうが面白かったように、アルメニアフィルだったら、このリズム感が民族性を醸し出してもっと面白い演奏になったのではと。録音がとりだたされているだけに弾力のある音響はなかなか良いが。

第1楽章
第4楽章