英CBS。1970年代中頃のプレスか。
推薦度:★★★★★★★ とにかく完成度が高い
秘蔵度:★★★★★★★ この盤は伸びやかで音が非常に良い
ベートーヴェン 交響曲第8番 (Beethoven Symphony No.8)
指揮:ジョージ・セル クリーヴランドO
推薦度:★★★★★★★ とにかく完成度が高い
秘蔵度:★★★★★★★ 音が良くリズミカルながら重みと透明度がある
ことあるごとに音を短くして、カチッとしたリズム感が支配しているが、この盤で聞くと堅苦しい感じがあまりなく、パーっと明るく華やかな印象すら出てくる。とはいってもオケに何かしらの余裕があるわけではなく、メンバーの緊張感がひしひしと伝わってくるような、統制された演奏になっている。ここまで躍動感のある第8番も珍しくしかも完成度が非常に高い。ワインガルトナーやイッセルシュテットに代表されるウィーンの香りに対抗する硬派な演奏は、間違いなくベストを争う名盤だと思う。
ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」 (Beethoven Symphony No.9)
指揮:ジョージ・セル クリーヴランドO、S:アデーレ・アディソン、A:ジェーン・ホブソン、Ten:リチャード・ルイス、Br:ドナルド・ベル (Cond., G.Szell, Cleveland O, A: A.Addison, A: J.Hobson, Ten:, R.Lewis, Br: D.Bell)
推薦度:★★★★★★★ とにかく完成度が高い
秘蔵度:★★★★★★☆ この盤は音が明るく瑞々しい。SACDよりよい。
低弦の迫力あるゴリゴリ感。特に終楽章の出だしなどすごい。鬼気迫る音を出しているが、この盤で聞くと、それが硬すぎず、響きをしっかり作り、音が鳴りきっていることがわかる。一楽章からまとまりの良い演奏でありながら、緊張感と迫力がみなぎる演奏。フルトヴェングラーの音全体の熱量で迫ってくる演奏とは対極的なものだが、筋肉質な演奏とも違う。各楽器の波長が融合しやすく、オケが一つの楽器になっているようなそんな感じ。合唱も素晴らしくベスト。ここで惜しいのは歌手四人の声が、マイク感があり意外と響きに乏しいような感じいなってしまっているのが残念ではあるが、全体的には指折りの名演奏である。まあこの演奏は中学生の時から聞いている慣れ親しんだ演奏あることもあり、ちょっと贔屓目だが。