1950年代の米コロンビア盤。
懐かしいレコードである。昔、中学生のころセルとニューヨークPOとの共演ということで珍しいものであろうと思い購入した記憶がある。田園もあった。久しぶりに聞きなおしたところ、ともに筋肉質で余計な感情を排除した厳しい演奏であることが確認できた。ただセルとしては、真夏の夜の夢はアムステルダムとの、交響曲はクリーヴランドとの後年の録音を採るべきだろうとも思うが。セルファンは持っていてよいだろう。演奏は他の数多ある演奏の中でもレベルの高いものであることは確かなので。
推薦度:★★★★☆☆☆ 演奏も音もちょっと硬いか
秘蔵度:★★★★☆☆☆ セルファンとしては貴重
メンデルスゾーン 劇音楽「真夏の世の夢」組曲
ジョージ・セル指揮 ニューヨークPO
推薦度:★★★☆☆☆☆ ちょっと硬いか。
秘蔵度:★★★★☆☆☆ ニューヨークとのスタジオ録音で貴重
堅物で頑固な感じだがその分密度の濃い演奏になっている。演奏の点数があるとするならば、結構高い点数になるだろう。ただ面白いとか聴きやすいとか感動面などで言うと、意外と冷静に取り組んでいることからも意外と点数は上がらなさそう。セルのファンであればニューヨークPOとの共演ということもあり持っていてもよいとは思う。意外なのは夜想曲や結婚行進曲では比較的ゆったりとしたテンポで穏やかな部分。それでも音は不必要に長く響かせずしっかり音価を保っている。
メンデルスゾーン 交響曲第4番「イタリア」
ジョージ・セル指揮 クリーヴランドO
推薦度:★★★★☆☆☆ レベルは高いもこのコンビだとステレオ盤を一般的にはおすすめ
秘蔵度:★★★★☆☆☆ セルファンとしては貴重
一楽章は、テンポ感は後年のステレオ盤とほぼ同じだが、こちらはなんといっても勢いが感じられる。若々しい。紋切り型で蒸気機関車が走るような感じになっている。二楽章のサクサク前に進む。ビートが効いた感じで停滞することが一切ないがそれでも音楽にふくらみを持たせているところはさすがである。三楽章では流れを保ちつつもやはりリズムというかメトロノームというかビートを感じる演奏になっていて停滞感がなく、ここでもどんどん前に進む。そして終楽章では揃ったアンサンブルが圧巻。スポーティでどうだといわんばかりの強い音で攻めてくる。後年の録音のほうが同じテンポ感でも余裕があるが、ここでは余裕はわざと見せていないようである。