英ColumbiaのSAX盤。1960年前半のプレスだろうか。音はかなりまろやかで角が取れているのが特徴。ここまでされると、少し作りすぎというくらいいい音に仕上がっている。
推薦度:★★★★★★★ 演奏は文句なく素晴らしい
秘蔵度:★★★★★★★ この盤は貴重盤
ベートーヴェン 交響曲第8番 (Beethoven Symphony No.8)
指揮:ジョージ・セル クリーヴランドO (Cond.: G.Szell, Cleveland PO)
推薦度:★★★★★★★ 完成度が高い名演
秘蔵度:★★★★★★★ 透明度があり温かみも感じられる
ことあるごとに音を短くして、カチッとしたリズム感が支配しているが、この盤で聞くと堅苦しい感じがあまりなく、パーっと明るく華やかな印象すら出てくる。とはいってもオケに何かしらの余裕があるわけではなく、メンバーの緊張感がひしひしと伝わってくるような、統制された演奏になっている。ここまで躍動感のある第8番も珍しくしかも完成度が非常に高い。ワインガルトナーやイッセルシュテットに代表されるウィーンの香りに対抗する硬派な演奏は、間違いなくベストを争う名盤だと思う。
上記は英CBS盤と同じ感想だが、この盤だと角に丸みが出てきてまろやか。実際はどっちの音が近かったのだろうか。結構印象が異なる。こちらは少し大人しい感じとなる。
シューベルト 交響曲第7(8)番「未完成」 (Schubert Symphony No.7(8))
指揮:ジョージ・セル クリーヴランドO (Cond.: G.Szell, Cleveland O)
推薦度:★★★★★★★ とにかく完成度が高い
秘蔵度:★★★★★★★ 音が良くリズミカルながら重みと透明度がある
テンポは比較的ゆっくり。そして精巧なオケを駆使して堂々とした演奏に仕上がっている。まさに仕上がっているという言葉が合うように、どのパートも統一された音色やリズム感。それでいて全体が堅苦しくなることなく柔らかい音。この盤の特徴だとも思うが、そうした音をバランスよく統率するセルはやはり凄い指揮者である。