スワロフスキー ウィーン音楽祭O シューベルト ロザムンデ他

イギリス盤。1960年代前半だろうか。溝あり。

ウィーン音楽祭オケは臨時オケだと思うが、オッテルローが指揮したベートーヴェンやマーラーなどを聞くと奏者には中々の実力者がそろっていたのではと思う。ここでもたどたどしいパートもあるが、全体的に重厚な響きがしていて堂々としていて、常設オケのようなしっかりした演奏をしている。これはスワロフスキーの手腕にもよるだろう。

推薦度:★★★★☆☆☆ なかなか誠実な演奏
秘蔵度:★★★★☆☆☆ スワロフスキーらしからぬ重心が低い演奏

シューベルト 劇音楽「ロザムンデ」~抜粋

ハンス・スワロフスキー指揮 ウィーン音楽祭O

推薦度:★★★★☆☆☆ 重心の低い堂々たる演奏
秘蔵度:★★★★☆☆☆ スマートさはないがなかなか聞きごたえする

重心が低くテンポもゆったり。堂々として迫力がある。全体的に楷書風だが、盛り上げ方がうまくなかなか良い演奏である。隠れた好演奏といったところか。弾むリズムも重戦車のような重厚な響きが特徴で風格を感じる。そういった意味ではスワロフスキーらしからぬ演奏かも。

スメタナ 連作交響詩「わが祖国」~「モルダウ」

ハンス・スワロフスキー指揮 ウィーン音楽祭O

推薦度:★★★☆☆☆☆ 野暮ったいところは推薦しずらい
秘蔵度:★★★☆☆☆☆ 田舎風の演奏で逆に面白いともいえるが

たどたどしい出だし。フルートはもろ二人が吹いていることが良くわかってしまう。しかしこのあぼったさはモルダウには意外と合う。録音のせいか強弱の差があまりないのが残念だが、不器用な感じがプラハの古風な街並みを意外と表現していて面白い演奏である。

スメタナ 歌劇「売られた花嫁」~序曲

ハンス・スワロフスキー指揮 ウィーン音楽祭O

推薦度:★★★★☆☆☆ 武骨だが面白い
秘蔵度:★★★★☆☆☆ この野暮ったさは好み

弦楽器のゴリゴリ感がものすごい。どすが効いた迫力。木管のヒョロヒョロした感じとの対比がなんとも面白い。狙ったわけではないだろうが、野暮ったさ満点の演奏。民俗色というものは意外と感じられずシンフォニックな構成をしっかりさせバランスよく鳴らしている。