ゼーマン ピヒト=アクセンフェルト バルトーク 2台のピアノと打楽器のためのソナタ他

日本Grammphon。1950年代後半のプレスだろうか。スパイラル。

推薦度:★★★★★☆☆ バルトークらしくはないが正攻法の名演
秘蔵度:★★★★★☆☆ 若きアクセンフェルトが貴重

バルトーク 2台のピアノと打楽器のためのソナタ (Bartok Sonata for 2 Pianos and Percussion)

P:カール・ゼーマン、P:エディト=ピヒト・アクセンフェルト、Perc.:ルードヴィヒ・ポルト、Perc.:カール・パインコッファー (P: C.Seemann, P: E.Axenfeld, Perc.: L.Porth, Perc.: K.Peinkofer)

推薦度:★★★★★☆☆ バルトークらしくはないが正攻法の名演
秘蔵度:★★★★★☆☆ 若きアクセンフェルトが貴重

とても珍しい編成だが打楽器が入ることで2台のピアノがさらにスケールが大きくなる。
伴奏を中心にモノラルからステレオ期に活躍したゼーマンと当時は駆け出しのアクセンフェルトの競演。なんとも珍しい組み合わせで、しかもバルトークのこの曲。それだけで興味がわいてくる。

演奏自体はゼーマンもアクセンフェルトも全く同じ方向を向いた演奏で、地味だがまとまりがよい。民族色やリズムをあまり出さずに楽譜に忠実に弾いているような印象で、打楽器もことさらリズムの複雑さを強調することはせずに、2台のピアノに寄り添う。

ストラヴィンスキー ピアノと管楽器のための協奏曲 (Stravinsky Concerto for Piano and Orchestra of Wind instruments)

P:カール・ゼーマン、指揮:トーマス・シャーマン ベルリンPO (P: C.Seemann, Cond.: T.Scherman, Berlin PO)

推薦度:★★★★★☆☆ ストラヴィンスキー特有のリズム感はないがフラットな名演
秘蔵度:★★★★★☆☆ ゼーマンのソロは珍しい

出だしはこれがベルリンフィルの管楽器?というくらい素朴で田舎風なチープな感じ。伴奏の録音が多いゼーマンがここまで自己主張を表に出し、バリバリに弾きまくるピアニストだったと驚かされる演奏になっている。

曲はジャズ風部分があったり、ミヨーのようなモダンな音響の部分があったりと、色々盛り込まれていて、ストラヴィンスキーの意欲が感じられる。それを真正面に受けたゼーマン、そしてベルリンフィルから、曲想に合う、”うまい”と思わせない野暮ったさを引き出したなかなかの演奏である。