米ターナバウト。1970年中盤のプレスと思われる。
シッパースとシンシナティSOシリーズ。こちらも名演奏がそろっている。ロッシーニというと勢いと明るさで押す演奏が多い中、大らかに大柄にまとめた独特の響きを持つ名演奏がそろっている。シッパースとシンシナティSOの相性の良いコンビのなせる業といったところか。
推薦度:★★★★★★☆ 誠実で聞きやすい
秘蔵度:★★★★★★☆ シッパースの意外と少ないシンシナティとの録音
ロッシーニ 歌劇「盗むかささぎ」~序曲
ロッシーニ 歌劇「盗むかささぎ」~序曲
トーマス・シッパース指揮 シンシナティSO
推薦度:★★★★★★☆ 誠実で聞きやすい
秘蔵度:★★★★★★☆ シッパースの意外と少ないシンシナティとの録音
イタリアの明るさではない感じもするが、さっぱりしていて穏やかな日差しが差し込むような演奏。丁寧だが音の空間は十分に大きく包み込むような感じで実に心地よい。このような感じは他の演奏にはあまり見られない。そして弦楽器の美しさ、金管の柔らかさ、木管の鮮やかさ、オケがとてもうまいのもこの演奏の特徴。シッパースとオケが一体になって楽しく収録に臨んだという場面が思い浮かばれる。
ロッシーニ 歌劇「ウィリアム・テル」~序曲
トーマス・シッパース指揮 シンシナティSO
推薦度:★★★★★★☆ 誠実で聞きやすい
秘蔵度:★★★★★★☆ シッパースの意外と少ないシンシナティとの録音
明るくほわっとした演奏。音自体の強さはあまりなく全体的に穏やかなのが特徴。オケのレベルは高く、シッパースのバランス感覚も抜群でテンポもゆっくりとして落ち着いていてじっくり楽しんで演奏している感じがする。そのため人によってはもう少し派手さを求めたくなるかもしれない。
ロッシーニ 歌劇「セミラーミデ」~序曲
トーマス・シッパース指揮 シンシナティSO
推薦度:★★★★★★☆ 誠実で聞きやすい
秘蔵度:★★★★★★☆ シッパースの意外と少ないシンシナティとの録音
テンポは急がず落ち着いたゆっくりめ。それでも各奏者が軽快に進めるので停滞することなく明るく前進していく。管楽器のおおらかな音も心を落ち着かせてくれる。そもそもロッシーニでこうした印象を持たせる演奏はあまりない。ただこの曲ではテュッティになると音が少し団子になる録音が残念。
ロッシーニ 歌劇「シンデレラ」~序曲
トーマス・シッパース指揮 シンシナティSO
推薦度:★★★★★★☆ 誠実で聞きやすい
秘蔵度:★★★★★★☆ シッパースの意外と少ないシンシナティとの録音
全体的な印象は真面目。音は明るくテンポも無理なくゆったりしているも流れはとても良い。そのためわかりやすくスーッと入ってくる演奏になっている。指揮者とオケの関係が良好であることが良く伝わってくる。
ロッシーニ 歌劇「タンクレディ」~序曲
トーマス・シッパース指揮 シンシナティSO
推薦度:★★★★★★☆ 誠実で聞きやすい
秘蔵度:★★★★★★☆ シッパースの意外と少ないシンシナティとの録音
さわやかな演奏で流れが良い。また各パートのバランスもよくシッパースの意図がしみわたっていることもわかる。音からは演奏することの楽しさ、うれしさというものが伝わってくる幸福な印象の演奏。