日本Columbia。1960年代中半から後半のプレス
推薦度:★★★★★★★ センスが良い名演奏揃い
秘蔵度:★★★★★★☆ オネゲルのチェロなど中々貴重
ラヴェル ヴァイオリンとチェロのためのソナタ (Ravel Sonata for Violin and Cello)
Vn:モーリス・ラスカン、Vc:アンリ・オネゲル (Vn: M.Raskin, Vc: H.Honegger)
推薦度:★★★★★★★ この曲中ベストを争う名演奏
秘蔵度:★★★★★★★ ラスカン、オネゲルと渋い奏者の貴重な記録。素晴らしい演奏家たち。
ララスカンの透き通る音とオネゲルの滑らかな音がこの曲にマッチしている名演奏。特にオネゲルの高音の音は、ラスカンのヴァイオリンの音色にのすごく近くチェロとは思えないスムーズな音を出しているのは凄いことだと思う。オネゲルのレコードは、とても高価なものがあったりするが、それもうなずける。両者ともにピチカートの鋭さ、研ぎ澄まされた音色、落ち着いた歌い方など、難曲を真っすぐな音で真っ向勝負で挑んでいて名演奏だと思う。
ラヴェル ヴァイオリンソナタ (Ravel Sonata for Violin and Piano)
Vn:モーリス・ラスカン、P:ジャン=シャルル・リシャール (Vn: M.Raskin, P: J.C.Richard)
推薦度:★★★★★★★ この曲中ベストを争う名演奏
秘蔵度:★★★★★★☆ ラスカンとリシャールの息の合ったコンビが素晴らしい
まずリシャールの出だしのピアノの一音から惹かれる。透明で夢幻な感じの、そして優しく寄り添うよう音色がとても心地よい。そしてラスカンのヴァイオリンはここでも細身ながら端正でスマート。きつい音がほとんどないが、鋭さはある。張りはあるのだが、明るくも暗くもない、淡色の音が魅力。流れるような、優雅に踊るようなポルタメントが粋で、表現の面でも素晴らしい演奏を繰り広げている。
ラヴェル ツィガーヌ (Ravel Tzigane)
Vn:モーリス・ラスカン、P:ジャン=シャルル・リシャール (Vn: M.Raskin, P: J.C.Richard)
推薦度:★★★★★★★ この曲中ベストを争う名演奏
秘蔵度:★★★★★★☆ ラスカンとリシャールの息の合ったコンビが素晴らしい
技巧の切れというよりは、音に、音楽に没頭した魂で語るような演奏。風格やスケール感はそれほどないが、ここでも淡色の音で身近に感じる絶妙な節回しがとても良い。弱々しくも味のあるフラジオもいじらしく、ジプシーの雰囲気をうまく出した重音や、ぴしっと響くピチカートと、淡色とは言っても音の種類は多彩。リシャールのピアノもうまくつけていて名演奏だと思う。