M.グールド ロイヤルPO ショスタコーヴィチ 交響曲第2番「十月革命」、第3番「メーデー」

日本RCA。1960年後半から1970年前半のプレス

自身のオケを持っていたモートン・グールド。アーサー・フィードラーと並び、クラシック音楽の普及に貢献した指揮者。現在では不当な評価になっていないだろうか。難しいことを考えずに楽譜に忠実にゴージャスに鳴らした名演奏である。ロイヤルフィルの当時のレベルの高さと、それをうまく引き出しているグールドの手腕がうかがえる。解説によると両曲ともに初録音とのこと。

推薦度:★★★★★☆☆ 中々スマートで分かりやすい演奏だと思う
秘蔵度:★★★★★☆☆ 盤としては珍しいものではないが意外と見落としがち

ショスタコーヴィッチ 交響曲第2番「十月革命」 (Shostakovich Symphony No.2)

指揮:モートン・グールド ロイヤルPO (Cond.: M.Gould, Royal PO)

推薦度:★★★★★☆☆ 中々スマートで分かりやすい演奏だと思う
秘蔵度:★★★★★☆☆ 盤としては珍しいものではないが意外と見落としがち

すっきりしたサウンドの演奏である。この頃のロイヤルフィルの機能を十二分に生かしゴージャスながら重さを感じさせず、透明度の高い演奏になっている。曲のテーマ、作曲の背景などいったん取り去り、音を忠実にならす演奏で聞きやすい。

ショスタコーヴィッチ 交響曲第3番「メーデー」 (Shostakovich Symphony No.3)

指揮:モートン・グールド ロイヤルPO (Cond.: M.Gould, Royal PO)

推薦度:★★★★★☆☆ 中々スマートで分かりやすい演奏だと思う
秘蔵度:★★★★★☆☆ 盤としては珍しいものではないが意外と見落としがち

交響曲第2番よりさらに音に力が増している。それでも透明度は保ち、ごちゃごちゃにはしない。またイデオロギーといった難しいことはいったん置いておき、楽譜の音を最大限に鳴らしてみたらこうなったというような聞きやすい演奏になっているのも特徴。自信のオケがあったモートン・グールドのエンターテイメントな面がプラスになったもっと知られてよい名演奏だ思う。