リル バルシャイ ベートーヴェン ピアノ協奏曲第2番 第4回チャイコフスキー国際コンクールから

露メロディア。1970年代のプレスと思われる。第四回チャイコフスキー国際コンクールの実況

推薦度:★★★★★★☆ 力強く清廉
秘蔵度:★★★★★★☆ この競演は珍しい

ベートーヴェン ピアノ協奏曲第2番 (Beethoven Piano Concerto No.2)

P:ジョン・リル、指揮:ルドルフ・バルシャイ モスクワ室内O (P: J.Lille, Cond.: R.Barshai, Moscow CO)

推薦度:★★★★★★☆ 透き通るようなわかりやすさと高い緊張感が特徴
秘蔵度:★★★★★★☆ いまでも通じるスタイリッシュな名演奏

バルシャイの伴奏からして軽快で充実した音。弦楽器それぞれがハイレベルであることはいつもながらだが、コンクールとはいえ一切手を抜かないところは凄い。そしてリルのピアノも若々しく攻めた演奏で思い切った表現。実に爽快である。

第1楽章
第3楽章

ベートーヴェン ピアノソナタ第28番 (Beethoven Piano Sonata No.28)

P:ジョン・リル (P: J.Lille)

推薦度:★★★★★☆☆ 若々しさが前面に出た演奏
秘蔵度:★★★★★☆☆ 自信が感じられる

まず若さが前面に出ている。コンクールということで確かに年齢的には若い。ただその若さだけでなく爽快な若者の、そして芯が強くしっかりした若者の姿が目の前に浮かぶ。リルというピアニストは日本ではいまいち評判が上がらないが素晴らしいピアニストだと思う。比較的マイナーな子のソナタを高い緊張感をもって現代風にしっかり構築しなおしたわかりやすい演奏が出来上がった。 

第1楽章
第2楽章