英RCA。1960年代後半のプレスと思われる。この頃のラインスドルフはシカゴに居たマルティノンと同様に不遇だったかもしれない。クリーヴランドのセル、ニューヨークのバーンスタイン、フィラデルフィアのオーマンディと対抗するには玄人受けすぎで大衆向きではなかったかも。マルティノンはその後晩年フランスで名盤を残したが、ラインスドルフは華やかな活躍はなかったが、晩年のCD-Rのライヴ録音には名盤が多く、もっと評価されてもよい指揮者だと思う。まあ、駄演というのも多いには多いが・・・。
推薦度:★★★★★☆☆ ゴージャス音で引き締まったワーグナー
秘蔵度:★★★★★☆☆ なぜか人気が出ないが良い演奏だと思う
ワーグナー 歌劇「さまよえるオランダ人」~序曲 (Wagner Flying Dutchman Overture)
指揮:エーリヒ・ラインスドルフ ボストンSO (Cond.; E.Leinsdorf, Boston SO)
推薦度:★★★★★☆☆ ゴージャス音で引き締まったワーグナー
秘蔵度:★★★★★☆☆ なぜか人気が出ないが良い演奏だと思う
勢いだけに任せずゴージャスながらしっかり引き締めている。盛り上げ方や流れの設計はオペラの分野でも活躍しただけあって手馴れている。意外とバランスや各パートの分離などは明確ではなく全体の響きを重視している。
ワーグナー 楽劇「ニュルンベルクのマイスタージンガー」~第1幕への前奏曲 (Wagner Meistersinger Overture)
指揮:エーリヒ・ラインスドルフ ボストンSO (Cond.; E.Leinsdorf, Boston SO)
推薦度:★★★★★☆☆ ゴージャス音で引き締まったワーグナー
秘蔵度:★★★★★☆☆ なぜか人気が出ないが良い演奏だと思う
初めの音から十分にオケを鳴らしつつ散漫にならずまた勢いだけに任せず形を保ちながら前に進む。ティンパニも効果的で古典的な様相さえ感じられる。音そのものは豪華だがドイツ風の重さはなく、あくまでも明るく能天気な感じなので、ワーグナーとしては聞きやすいのではないだろうか。最後は短く切って終わるあたりも面白い。
ワーグナー 楽劇「トリスタンとイゾルデ」~前奏曲 (Wagner Tristan and Isolde Prelude to act 1)
指揮:エーリヒ・ラインスドルフ ボストンSO (Cond.; E.Leinsdorf, Boston SO)
推薦度:★★★★★☆☆ ゴージャス音で引き締まったワーグナー
秘蔵度:★★★★★☆☆ なぜか人気が出ないが良い演奏だと思う
テンポは比較的ゆっくりとり朗々と歌う。特に低弦の息がながいフレーズ感が良い。堂々としていながら引き締まった演奏でワーグナーらしくない響きだが好演奏。ボストン響との相性はこれを聞くとそんなに悪くはなかったのではとも思えてくる。最も訓練のせいかとしてこの演奏が出来上がっているのかもしれないが。
ワーグナー 歌劇「タンホイザー」~序曲 (Wagner Tannhauser Overture)
指揮:エーリヒ・ラインスドルフ ボストンSO (Cond.; E.Leinsdorf, Boston SO)
推薦度:★★★★★☆☆ ゴージャス音で引き締まったワーグナー
秘蔵度:★★★★★☆☆ なぜか人気が出ないが良い演奏だと思う
少し音に対する集中力というかテュッティになったときに少し各パートが混ざらない部分もあるが、ゆったりとゴージャスに明るく進めるワーグナーも悪くない。腰高で妙なハイテンションという感じで、名演奏が多い中でも結構特徴のある演奏という位置づけになるのではないだろうか。