基本的に一枚一日で聞いているので7回に分けて。8番と9番は2枚に渡るがそこは一回で。
仏Varios。1960年代後半から70年代前半のプレスだろう。
推薦度:★★★★★☆☆ なかなかさわやかなベートーヴェン
秘蔵度:★★★★★★☆ このフランス盤は貴重では
ベートーヴェン 交響曲第8番 (Beethoven Symphony No.8)
指揮:パウル・クレツキ チェコPO (Cond.: P.Kletzki, Czech PO)
推薦度:★★★★★☆☆ 筋肉質だが明るく清々しい
秘蔵度:★★★★★☆☆ 演奏自体は有名だがこの盤は特に音が良い
透明度が高く引き締まった演奏。この曲の場合、時代的には柔らかく鳴らすのが主流だったと思うが、ここまで引き締まった演奏は珍しかったのでは。現代の古楽器演奏スタイルにも通じる勢いの良さもありなかなか聞きものである。
ベートーヴェン 交響曲第9番「合唱付き」 (Beethoven Symphony No.9)
指揮:パウル・クレツキ チェコPO、Cho、S:インゲボルク・ヴェングロル、A:アンネリース・ブルマイスター、T:マーティン・リッツマン、Br:ロルフ・キューン (Cond.: P.Kletzki, Czech PO, Cho, S: I.Wenglor, A: A.Burmeister, T: M.Ritzmann, Br: R.Kuhne)
推薦度:★★★★★★☆ 他の曲と同様引き締まった名演奏
秘蔵度:★★★★★★☆ 演奏自体は有名だがこの盤は特に音が良い
引き締まったリズム感であるがテンポは意外と速くはなく落ち着いている。そのためかかなり音に力がこもる。それでもチェコフィルの透明度の高い精巧な建築物のような響きが充満していて実に気持ちよく聴ける。ただここでは終楽章の独唱陣にもう少し落ち着いた歌唱を望みたかった。合唱もかなり深く迫力あるものになっているだけにちょっと頑張りすぎで肩に力が入りすぎてしまったような感じ。ただそれでもこの名演の価値を下げるものではない。なんといってもチェコフィルの素晴らしさが伝わってくるから。