ケンペン オランダ放送PO ワーグナー&ヴェルディ 管弦楽&合唱曲集

1950年代中頃のオランダプレス。重量がある。フラット盤。演奏も重戦車級

推薦度:★★★★☆☆☆ この熱気は好悪分かれそう
秘蔵度:★★★★★★☆ 私の好みの演奏ばかり

ワーグナー 楽劇「ローエングリン」~第1幕への前奏曲 (Wagner Lohengrin Prelude to Act 1)

指揮:パウル・ファン・ケンペン指揮 オランダ放送PO (Cond.: P.v.Kempen, Radio Filharmonisch Orkest)

推薦度:★★★★☆☆☆ この熱気は好悪分かれそう
秘蔵度:★★★★★★☆ 私の好みの演奏

重心の低い迫力はケンペンのこの時期の特徴。まるでドイツのオケのように響く。そしてスケールも大きく雄大に仕上げており、モノラルとはいえなかなかの名演奏でもう少し知られてよい。

ワーグナー 歌劇「ローエングリン」~第3幕への前奏曲と婚礼の合唱 (Wagner Lohengrin Prelude to Act 3 and Treulich gefuhrt )

指揮:パウル・ファン・ケンペン指揮 オランダ放送PO (Cond.: P.v.Kempen, Radio Filharmonisch Orkest)

推薦度:★★★★☆☆☆ この熱気は好悪分かれそう
秘蔵度:★★★★★★☆ 私の好みの演奏

第三幕への前奏曲はここでも分厚くゆったり動く音楽が迫力満点。シンバルが武器と化して大砲のように打ちまくる。かなり派手で祝砲がバンバンなっている感じ。そして婚礼の合唱では意外と穏やかに変わり温かみのある合唱と落ち着きのあるオケの音が第三幕の前奏曲の喧騒を一気に吹き飛ばしてくれる。

ヴェルディ 歌劇「運命の力」~序曲 (Verdi La Forza del Destino Overture)

指揮:パウル・ファン・ケンペン指揮 オランダ放送PO (Cond.: P.v.Kempen, Radio Filharmonisch Orkest)

推薦度:★★★★☆☆☆ この熱気は好悪分かれそう
秘蔵度:★★★★★★☆ 私の好みの演奏

ケンペンとしてはヴェルディはレクイエムをはじめ意外といろいろ取り組んでいる。イタリアという要素は全くと言っていいほど感じられないがここでも迫力のある演奏で、金管を中心に熱のこもった音が押し寄せてくる。速いパッセージはかなりいい加減で強引に押し切る。男らしいといえば男らしい。それでもテンポの緩急が結構あるのだが切り替えなどが必然に聞こえて違和感がないところは不思議。

ヴェルディ 歌劇「アイーダ」~凱旋行進曲 (Verdi Triumphal March from Aida)

指揮:パウル・ファン・ケンペン指揮 オランダ放送PO (Cond.: P.v.Kempen, Radio Filharmonisch Orkest)

推薦度:★★★★☆☆☆ この熱気は好悪分かれそう
秘蔵度:★★★★★★☆ 私の好みの演奏

ここでもイタリア風の明るさはないが、迫力とスケールの大きさで圧倒させられ、説得力のある演奏になっている。合唱は多少雑な印象だが、熱量が高く分厚い。オケはそれ以上に音の洪水という感じで攻めてくる。まさに凱旋である。