日本Angel。日本初版
推薦度:★★★★★☆☆ リヒテルがとにかく凄い
秘蔵度:★★★★☆☆☆ 意外と見かけない演奏になってしまったか
ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ第5番「春」 (Beethoven Violin Sonata No.5)
Vn:オレグ・カガン、P:スヴャトスラフ・リヒテル
推薦度:★★★★★☆☆ リヒテルの間の取り方とカガンとの息の合った好演奏
秘蔵度:★★★★☆☆☆ 注目されないがカガンのヴァイオリンが聴けるのは貴重
完全にリヒテル主導の演奏ではある。間の取り方、特に出だしのふわっとした間、微妙にテンポがもたれるようなリズム感など絶妙。音も芯があり堂々とした風格がある。カガンの演奏が悪いわけではなくリヒテルが凄すぎるのである。そのカガンはいつもながら結構荒削りな音で曲の神髄に迫ろうと意気込んでいるような感じ。肩の力が少し入っているが、緊張感のある中々の演奏。色々工夫して弾いてくるが、それに動じないリヒテルのすごさ、といったところか。
ちなみに下記EMIのASD盤と聞き比べると、日本盤のほうが若干音の広がりを感じる。日本盤も捨てたもんではないし、海外の初版ものが絶対いいかというとそうでもないということが良くわかる。両方とも中古だから状態に左右されるが。
ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ第4番 (Beethoven Violin Sonata No.4)
Vn:オレグ・カガン、P:スヴャトスラフ・リヒテル
推薦度:★★★★★★☆ 激情型の演奏で春より完成度が高い
秘蔵度:★★★★★☆☆ カガンとリヒテルのコンビは今では忘れ去られた貴重な記録
短調の曲ゆえにかなり感情を込めた演奏になっている。カガンがいろいろ工夫しながら弾いている中で堂々とぶれないリヒテル、という構図は春と変わらないが、この曲のほうがカガンの音色には合っている。息の合ったアンサンブルで一体感がありなかなかの演奏だと思う。