米VOX。スパイラル。1950年代中頃のプレスだろう。
ホルライザーは歌劇場のたたき上げというイメージだが、ウィーン室内合奏団の初代指揮者。意外と現代ものにも挑戦していたようである。このストラヴィンスキーは華やかさこそないが手堅くそしてわかりやすい演奏が特徴。
推薦度:★★★★★☆☆ モノラルとはいえ聞きやすい録音
秘蔵度:★★★★★☆☆ ホルライザーと言えば歌劇場や渋めの交響楽団というイメージ。それを覆すこの盤
目次
ストラヴィンスキー バレエ「ミューズを率いるアポロ」 (Stravinsky Apollon Musagete)
指揮:ハインリヒ・ホルライザー ウィーン室内O (Cond.: H.Hollreiser, Vienna CO)
華やかさや切れは無く手堅いが、全体的に厚みのある音で、上手いソロが浮き立つ。特にヴァイオリンソロは中々。ソリストは記載無し。盤質が少々悪いのが残念だが、安価で購入しているので文句はない。また、ホルライザーのストラヴィンスキーというアンマッチにも思える組み合わせだが、少し野暮ったく憂鬱な感じが他の人ではかけれないもので、独自の世界を描いた面白い演奏に満足。
ストラヴィンスキー 組曲「プルチネルラ」 (Stravinsky Pulcinella)
指揮:ハインリヒ・ホルライザー ウィーン室内O (Cond.: H.Hollreiser, Vienna CO)
リズムを強調するのではなく、しっとりした音響。スマートさは無いがオケのレベルが良く鈍重な音楽にはなっていない。オペラなどで見せるホルライザー特有の様式がこのプルチネルラにも刷り込まれていてまとめ方がまさに職人芸。ウィーン室内Oの初代指揮者ということで、信頼関係と新しい音楽への取り組みへの意気込みも、感じられる。特に管楽器の柔らかい中にも芯のある音を出しているのが印象的。