ドイツMusical Masterpiease Society。1960年代のプレスだろうか。
推薦度:★★☆☆☆☆☆ 現代のバロック様式とは真逆
秘蔵度:★★★★★☆☆ ガブリーロフを筆頭にソロが誠実でうまい
ヴィヴァルディ 調和の霊感全集 (Vivaldi L’estro Armonico)
指揮:ワルター・ゲール フランクフルト室内O、Vn:サシュコ・ガヴリーロフ (Cond.: W.Goehr, Frankfurt CO, Vn: S.Gawriloff)
推薦度:★★☆☆☆☆☆ 現代のバロック様式とは真逆
秘蔵度:★★★★★☆☆ ガブリーロフを筆頭にソロが誠実でうまい
ガブリーロフをはじめソロヴァイオリンの安定した美しい音色が特徴。イメージとして楽器をしっかり鳴らして弾いているという感じ。そのため野暮ったいも言え、現代のヴィヴァルディと比べると、切り込みや躍動感に劣るし、全く別な曲のようにも聞こえる。ただ私にとっては、この楽譜の忠実性や、最小限に抑えた装飾しかないため(ただこの装飾はとてもうまい!)、曲そのものの美しさを伝えているように思える。さらに、普通だとテヌート気味なしっとりした演奏だと途中で退屈してしまいそうな、停滞してしまいそうな、そんなことが多くなるところが、この演奏では、それが全くなく最後まで一気に聴きとおせるのが特徴。それは冒頭に述べたソロヴァイオリンの素晴らしさによるところが多く、また、ゲールのまとめる手腕にもよるところもある。テンポ設定、バランスなど落ち着けるので、心地よく聴けるいいアルバムであると思う。