エンドレ バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番、ソナタ第3番

エンドレ・ヴォルフ。ハンガリー出身のヴァイオリニスト。名前は日本と同じく、苗字、名前となるためエンドレ・ヴォルフとなる。マンチェスター音楽院やスウェーデン放送の音楽学校、コペンハーゲン音楽院など、長らく教壇に立っていたようで、録音は少ない。コリンズとのブラームスでは控えめでオーケストラに埋もれがちだったような記憶があるが、トゥクセンとのブルッフはなかなかの聞きもの。そしてこのバッハはそうしたモノラル期の録音から随分経った、1980年代の録音で落ち着いた老練な感じの名演奏である。ストラディバリウスでの演奏。

推薦度:★★★★★★★ 素晴らしい演奏。掘り出し物とはまさにこのこと
秘蔵度:★★★★★★★ 珍しいエンドレのバッハ

バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 (J.S.Bach Partita No.2 for Solo Violin)

推薦度:★★★★★★★ 素晴らしい演奏。掘り出し物とはまさにこのこと
秘蔵度:★★★★★★★ 珍しいエンドレのバッハ

エンドレ・ヴォルフ(Vn)

落ち着いた音でとても心地よい。外的な工夫は排除しながらもここまでスーッと引き込まれる演奏は珍しい。重音はどこも正確な短い分散和音風なので穏やかに聞こえる。シャコンヌはテンポを比較的ゆっくりで、急がず気負わず自然体の音が響きわたり、特に聞きもの。

バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタ第3番 (J.S.Bach Sonata No.3 for Solo Violin)

推薦度:★★★★★★★ 素晴らしい演奏。掘り出し物とはまさにこのこと
秘蔵度:★★★★★★★ 珍しいエンドレのバッハ

エンドレ・ヴォルフ(Vn)

技巧の切れは少し若手に譲るものの音に対する接し方、フーガでのテンポや間の取り方が絶妙で、無我の境地という感じだし、ラルゴでのゆったりしながらも停滞することなく、そして最後のアレグロでは、途中少々難があるにしてもすべての音が滑らかにつながり均一に、しかもその中に老境の暖かい人間味を感じさせる妙技を見せており名演奏だと思う。