ディクソン フィルハーモニックシンフォニー・オブ・ロンドン リスト 交響詩集

米ウェストミンスター盤。1950年代中頃のプレスと思われる。溝ラベル。音に伸びやかさが無いのが難点。オケの実態はロイヤルフィルだろうか。ディクソンの30代後半から40代前半の働きが座りの時代でかなり勢いのある演奏ばかり。コンサートマスターとしてクレジットされているデビット・マッカラムは、なんと、俳優デビット・マッカラムの父。ミドルネームが違うらしいが紛らわしい。

推薦度:★★☆☆☆☆☆ 普通に見てちょっと雑すぎるか
秘蔵度:★★★☆☆☆☆ ディクソンの若いころの貴重な記録

リスト 交響詩「前奏曲」 (Liszt Prelude)

指揮:ディーン・ディクソン フィルハーモニックシンフォニー・オブ・ロンドン (Cond.: D.Dixon, Philharmonic Symphony of London)

推薦度:★★☆☆☆☆☆ 普通に聞けばガサツな演奏
秘蔵度:★★★★☆☆☆ ディクソンの珍しい記録。ドライブ感凄い

雑な音でかなり勢いを感じる。前奏からいきなりギアを変えてテンポがガラッと変わる最初の盛り上がりの部分であったり、いきなり停滞してじっくり歌ってみたりと忙しい直情型の演奏。ディクソンってこんな熱い演奏をしていたのかと驚くこと間違いなし。

前半
フィナーレ

リスト 交響詩「フン族の戦い」 (Liszt Battle of the Huns)

指揮:ディーン・ディクソン フィルハーモニックシンフォニー・オブ・ロンドン (Cond.: D.Dixon, Philharmonic Symphony of London)

推薦度:★★☆☆☆☆☆ 短く音価を切っていて硬い
秘蔵度:★★★☆☆☆☆ 音そのものは雑なほど勢いがある

なぜこんなにせせこましく、勢いよく、そして短く行進曲のように演奏しているのか。しかもオケは一心不乱に音を出している。このカラッとした熱気はなんだろか。後半のゆったりしたところは、前半のそうした音楽に対してなんとなく落ち着く。しかしやがて元に戻る。面白い演奏だとは思う。

リスト 交響詩「マゼッパ」 (Liszt Mazeppa)

指揮:ディーン・ディクソン フィルハーモニックシンフォニー・オブ・ロンドン (Cond.: D.Dixon, Philharmonic Symphony of London)

推薦度:★★★☆☆☆☆ 迫力ある演奏
秘蔵度:★★★★☆☆☆ 熱風吹き荒れる

ものすごい熱気。オケのメンバーもすごい顔して演奏していることだろう。うまく演奏しようという気がなく、がつッと音に力を込めて表現する。明るくガンガン前に進む。もうリストとか交響詩とかどっかに行ってしまい、楽譜に食らいつく演奏は面白いといえば面白い。

前半
フィナーレ

リスト 交響詩「オルフェウス」 (Liszt Orpheus)

指揮:ディーン・ディクソン フィルハーモニックシンフォニー・オブ・ロンドン (Cond.: D.Dixon, Philharmonic Symphony of London)

推薦度:★★★☆☆☆☆ 全体的には平坦か
秘蔵度:★★★☆☆☆☆ ゆったりと時は流れるものの味は薄いか

曲自体がゆったりと穏やかな部分が多いので他の曲に比べると雑な面が目立たない。デビット・マッカラムのヴァイオリンソロがなんとも、か弱く魅力的。