デムス ホルヴァート モーツァルト ピアノ協奏曲第21番、第26番「戴冠式」

アラサーの若いころの演奏にも関わらず勢いに任せることなく冷静な演奏。かといって窮屈なわけではなく、曲を分析した結果を思いっきり出している感じ。ホルヴァートの伴奏は意外とリズムを鋭く切り込み、テンポが遅めなので多少野暮ったいもののなかなかシンフォニックで面白い。

盤質が多少悪くぶちぶち音が入りますがご勘弁を。という他の記事でも同じくらいノイジーな音ばかりアップしていますが・・・

推薦度:★★★★☆☆☆ オーソドックスな演奏。
秘蔵度:★★★★★☆☆ ホルヴァートの指揮光る。デムスは若いところから落ち着いている。

モーツァルト ピアノ協奏曲第21番 (Mozart Piano Concerto No.21)

P:イェルク・デムス、指揮:ミラン・ホルヴァート ウィーン国立歌劇場O (P: J.Demus, Cond.: M.Horvat, Vienna State Opera O)

推薦度:★★★★☆☆☆ オーソドックスな演奏。
秘蔵度:★★★★★☆☆ ホルヴァートの指揮光る。デムスは若いところから落ち着いている。

一楽章では、遅めのテンポで鋭いリズムのホルヴァートの伴奏はインパクトがあり柄も大きく、主張をかなりしてくるというイメージ。それに対してデムスは、ソロということを強調するわけではなく、自分の主張をさりげなく織り交ぜながらバックとのバランスを絶妙に保っている印象。二楽章でも、ホルヴァートの伴奏が結構前に出てくるが、ここではデムスも音をはっきり出しながら理知的な演奏を聞かせてくれる。三楽章ではデムスも乗ってきて、より活き活きしてくる。伴奏も終始明るく堂々と進めていく。全体的には技巧的には現代のピアニストに比べると多少落ちるような感じではあるが、堅実で端正なフォルムのデムスのピアノはこの曲に合う。

第1楽章
第3楽章

モーツァルト ピアノ協奏曲第26番「戴冠式」 (Mozart Piano Concerto No.26)

P:イェルク・デムス、指揮:ミラン・ホルヴァート ウィーン国立歌劇場O (P: J.Demus, Cond.: M.Horvat, Vienna State Opera O)

推薦度:★★★★☆☆☆ オーソドックスな演奏。
秘蔵度:★★★★★☆☆ ホルヴァートの指揮光る。デムスは若いところから落ち着いている。

カップリングの第21番よりも早めにテンポをとっているが、基本的な印象は同じ。ホルヴァートの伴奏が大きな編成ながら良くまとまり充実しているのが特徴。デムスはそうした伴奏に対抗することなく、独自の路線をたどりながら全体的なバランスをうまく保ちながら演奏している。出だしなどは物足りないくらいさらっと入ってくる。二楽章はピアノから入るのでデムス主導かと思いきや伴奏は結構むべもなくダーッと入ってくる。それでもデムスは自分のペースを崩さず大人の対応をしている。もちろんホルヴァートの伴奏が悪いということはなく、はっきり音を出しすぎなのではと。終楽章もがつがつリズムを打ち込むホルヴァートの伴奏をよそにデムスは羽目を外さず丁寧に演奏を続けていく。全体的にバランスが悪い演奏?ということはなく結構この一見バラバラな感じが妙にマッチしていてなかなか面白い演奏となっていることを付記しておきたい。

第1楽章
第3楽章