A.コリンズ ロイヤルPO シベリウス 管弦楽曲集

英EMI。スパイラル。1950年代後半のプレスと思われる

推薦度:★★★★★☆☆ 堀の深い演奏
秘蔵度:★★★★★☆☆ 交響曲は有名だがこちらは珍しいのでは

シベリウス カレリア組曲 (Sibelius Karelia Suite)

指揮:アンソニー・コリンズ ロイヤルPO (Cond.: A.Collins, Royal PO)

推薦度:★★★★★☆☆ カラッとした響きだが楽しく演奏
秘蔵度:★★★★★☆☆ 意外とシベリウスっぽくないところが良い

多少乾き気味でカチカチした印象だが、それがシベリウスっぽくなく逆に面白い。かなり明るい音調で楽し気。コリンズはシベリウスとも親交があったというからあながち正解かもしれない。ロイヤルフィルの特性を十分に引き出しているところもなかなかの手腕。

シベリウス 4つの伝説曲~「トォオネラの白鳥」 (Sibelius The Swan of Tuonela)

指揮:アンソニー・コリンズ ロイヤルPO (Cond.: A.Collins, Royal PO)

推薦度:★★★★★☆☆ 現実的な音だが情感豊か
秘蔵度:★★★★★☆☆ 意外と珍しい生々しいトゥオネラの白鳥

幻想的な雰囲気はなくかなり現実的な、夢から覚めた感じの音。それでも物語はしっかり進め、情感豊かに仕上げている。こうしたアプローチは意外と珍しいと思うが、特徴あるなかなか良い演奏だと思う。

シベリウス エン・サガ (Sibelius En Saga)

指揮:アンソニー・コリンズ ロイヤルPO (Cond.: A.Collins, Royal PO)

推薦度:★★★★★☆☆ 挑戦的なバランス感覚が新鮮
秘蔵度:★★★★★☆☆ シベリウスを得意としただけある

堀が深く、独特のバランス感覚。そして盛り上げ方もうまくさすがシベリウスを得意としたコリンズ。少し硬めではあるもののロイヤルフィルの迫力あるところを活かして堂々とした演奏になっている。かなりくっきりと明晰な演奏であるところは曲想に合わないという向きもあるかもしれないが。

シベリウス ロマンスOp.42 (Sibelius Romance Op.42)

指揮:アンソニー・コリンズ ロイヤルPO (Cond.: A.Collins, Royal PO)

推薦度:★★★★★☆☆ 分厚くロマンティックな演奏
秘蔵度:★★★★★☆☆ 情感のこもったコリンズの貴重な名演

すっきりとしたサウンドで分厚くてもリズムが重くならず堂々とスケールの大きな演奏を聴かせる。曲に対する自信がみなぎっていてさすがシベリウスのスペシャリストである。どこをとってもあいまいさがない。