日Angel。赤盤。1960年代前半のプレス。ちょっと盤質が悪いのが残念だが、クリュイタンスとウィーンフィルの企画もので珍しいレパートリーがあり貴重。編集ではなくオリジナルの録音

推薦度:★★★★★★☆ 恰幅のいい名演奏揃い
秘蔵度:★★★★★★☆ 珍しいコンビで贅沢な交響曲への誘いとなる

ベートーヴェン 交響曲第5番「運命」~第1楽章 (Beethoven Symphony No.5~1 Mov.)

指揮:アンドレ・クリュイタンス ウィーンPO (Cond,.: A.Cluytens, Vienna PO)

推薦度:★★★★★★☆ 颯爽としながら重みがある名演
秘蔵度:★★★★★★☆ ベルリンフィルとともに全曲残してほしかった

かなり熱い演奏。重みのある弾力が凄まじく、ウィーンフィルの集中した音が心を打つ。全曲が無いのが非常に残念。ベルリンフィルとの全集よりウィーンフィルとの全集だったらとも。とにかく凄い演奏

モーツァルト 交響曲第40番~第1楽章 (Mozart Symphony No.40~1 Mov.)

指揮:アンドレ・クリュイタンス ウィーンPO (Cond,.: A.Cluytens, Vienna PO)

推薦度:★★★★★☆☆ かなり大柄な演奏だがそこはウィーンフィル。さすがにうまい
秘蔵度:★★★★★★☆ クリュイタンスの珍しいモーツァルトの交響曲

大柄で十分にオケを鳴らすも統制が効いている。このスケール感は現代ではどうだろうか。私は凄い演奏だと思うし、ここまで迫力あるサウンドをこの曲でしかもウィーンフィルで出すあたりはクリュイタンスの凄さであると感動させられる。あまりモーツァルトを取り上げなかったがフルトヴェングラー張りの演奏、もっと聞きたかった。

チャイコフスキー 交響曲第4番~第3楽章 (Tchaikovksy Symphony No.4~3 Mov.)

指揮:アンドレ・クリュイタンス ウィーンPO (Cond,.: A.Cluytens, Vienna PO)

推薦度:★★★★★☆☆ この楽章で良しあしは言いにくいが大柄な演奏
秘蔵度:★★★★★★☆ クリュイタンスのチャイコフスキーは貴重

この三楽章だけでもスケールの大きさがある。ウィーンフィルを自在に扱いかっちりした名演。これも全曲聴きたかった。

メンデルスゾーン 交響曲第4番「イタリア」~第4楽章 (Mendelssohn Symphony No.4~4 Mov.)

指揮:アンドレ・クリュイタンス ウィーンPO (Cond,.: A.Cluytens, Vienna PO)

推薦度:★★★★★★☆ 重戦車のようだがウィーンフィルの温かみのある音が絶妙
秘蔵度:★★★★★★☆ 全曲を演奏していたらどんなになったのか想像が楽しい

テンポは普通だと思うが音に力がこもり、重低音の迫力も凄いためかなり勢いを感じる。硬めに仕上げていて、イタリアという雰囲気はしないが交響曲の最終楽章であることを十分に認識させられる説得力のある演奏になっている。

モーツァルト セレナード第13番「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」~第1楽章 (Mozart Serenade No.13~1 Mov.)

指揮:アンドレ・クリュイタンス ウィーンPO (Cond,.: A.Cluytens, Vienna PO)

推薦度:★★★★★☆☆ かなり大柄。交響曲のよう
秘蔵度:★★★★★★☆ ウィーンフィルに任せ要所を締める

ゴージャスなアイネク。十分に音を鳴らしきるオールドスタイルだがウィーンフィルの明るい響きが実に心地よく鈍重さを一切感じさせない。結構かっちりきっちりしている

ドヴォルザーク 交響曲第9番「新世界」~第2楽章 (Dvorak Symphony No.9~2 Mov.)

指揮:アンドレ・クリュイタンス ウィーンPO (Cond,.: A.Cluytens, Vienna PO)

推薦度:★★★★☆☆☆ 結構ぶっきらぼう
秘蔵度:★★★★★☆☆ ウィーンフィルはうまいと思うがもう少し自由にさせてもよかったかも

ぶっきらぼうな感じだがウィーンフィルのうまさを引き出すためには何も味を加えなくてもいいという感じか。でもここではフレーズの処理などもう少し芝居っけがあってもよさそうな感じ。ここではクリュイタンスとドヴォルザークの相性があまりよくないかも、と感じてしまうか。

ベートーヴェン 交響曲第8番~第2楽章 (Beethoven Symphony No.8~3 Mov)

指揮:アンドレ・クリュイタンス ウィーンPO (Cond,.: A.Cluytens, Vienna PO)

推薦度:★★★★★☆☆ 優雅な演奏
秘蔵度:★★★★★★☆ なぜこの楽章が選ばれたかは不明だが名演

さすがに慣れた曲だけあって堂々としていて曖昧さが無い。これも全曲聞きたかった。かなり迫力ある演奏。

チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」~第3楽章 (Tchaikovsky Symphony No.6~3 Mov.)

指揮:アンドレ・クリュイタンス ウィーンPO (Cond,.: A.Cluytens, Vienna PO)

推薦度:★★★★★★☆ 堂々としたスケールの大きな演奏
秘蔵度:★★★★★★☆ ウィーンフィルの合奏力が凄い

クリュイタンスとチャイコフスキーという珍しい組み合わせ。ロシア風ではないものの迫力がありウィーンフィルの機動性、柔らかい音、各パートのうまさを引き出しかなりいい。