カサド ペルレア ラロ チェロ協奏曲、サン=サーンス チェロ協奏曲第1番他

米VOX。1960年代中頃のプレスだろうか。

推薦度:★★★☆☆☆☆ かなり好悪が分かれるチェロの音
秘蔵度:★★★★☆☆☆ 好調なペルレアの伴奏にカサドがしっかり刻む

サン=サーンス チェロ協奏曲第1番 (Saint=Saens Cello Concerto No.1)

Vc:ガスパール・カサド、指揮:イヨネル・ペルレア バンバルクSO (Vc: G.Casado, Cond.: J.Perlea, Bamberg SO)

推薦度:★★★☆☆☆☆ かなり好悪が分かれるチェロの音
秘蔵度:★★★★☆☆☆ 好調なペルレアの伴奏にカサドがしっかり刻む

かなりせわしくテンポよく始まる。カサドのチェロはゴリゴリ、ゴツゴツ感満載。音に力がありそこまで入れんでもという感じ。特に低音の鳴らし方が独特で弦の振動が目に見えるようなそんな感じ。それに比べるとペルレアの伴奏が緩くて、おおらかなこと。この対比がなんとも面白い。ペルレアのVOX録音は高音の分離が良すぎて他のパートと混じらないような録音があったりするが、ここではうまくブレンドされ、パーっと開けた草原のような伴奏をつけていて聞きごたえする。

ラロ チェロ協奏曲 (Lalo Cello Concerto)

Vc:ガスパール・カサド、指揮:イヨネル・ペルレア バンバルクSO (Vc: G.Casado, Cond.: J.Perlea, Bamberg SO)

推薦度:★★★☆☆☆☆ かなり好悪が分かれるチェロの音
秘蔵度:★★★★☆☆☆ 好調なペルレアの伴奏にカサドがしっかり刻む

出だしが意外と元気がないが、だんだんカサド特有の弦を押し付けるようなごつごつ感が出てきて、強い音が出てくる。きれいに鳴らそうという意識は無いようで、とにかく音符とそこから出てくるイメージをチェロで表現しようと静かに躍起になっている、そんな印象。うまさでいけば現代のチェリストのほうが格段にうまいが、なんとも言えないスパイシーな味がある演奏はそう聞けるものではない。ペルレアの伴奏はここでは明るく雄大なバックをつけており中々のもの。このコンビ特有の高音だけ分離してしまうような音はなく聞きやすい。

フォーレ エレジー (Faure Elegie)

Vc:ガスパール・カサド、指揮:イヨネル・ペルレア バンバルクSO (Vc: G.Casado, Cond.: J.Perlea, Bamberg SO)

推薦度:★★★☆☆☆☆ かなり好悪が分かれるチェロの音
秘蔵度:★★★★☆☆☆ 好調なペルレアの伴奏にカサドがしっかり刻む

きれいに鳴らそうというよりは音を抉り出して音楽の奥底を掘り起こすような、そんな感じの演奏。頑固で自分をしっかり持った、他人のアプローチなんて気にしない、という潔さも感じる。