カンテルリ フィルハーモニアO シューベルト 交響曲第8番「未完成」他

仏EMI。スパイラル。1950年代中頃のプレスと思われる。盤質がちょっと悪いのが残念。

推薦度:★★★★★★☆ 清廉とした名演奏
秘蔵度:★★★★☆☆☆ 比較的見かける初期盤ではあるが貴重だとも思う

シューベルト 交響曲第8番(7番)「未完成」 (Schubert Symphony No.8(7))

指揮:グィド・カンテルリ フィルハーモニアO (Cond.: G.Cantelli, PO)

推薦度:★★★★★☆☆ 深刻さはなくわかりやすい演奏
秘蔵度:★★★★★☆☆ モノラルとはいえ響きに透明度あり

この演奏は正規のステレオがある。ここではモノラルだがそれでもオケの響きに透明度があり、しっかりした立体像が描き出されている。未完成特有の暗さや深みはあまりないものの、感じたままにしっかり取り組む若者の演奏という感じで屈託がなく爽快な演奏になっている。これステレオのLPで聞いてみたい。

第1楽章
第2楽章

メンデルスゾーン 交響曲第4番「イタリア」 (Mendelssohn Symphony No.4)

指揮:グィド・カンテルリ フィルハーモニアO (Cond.: G.Cantelli, PO)

推薦度:★★★★★★☆ フィルハーモニアの明るい響きが心地よい
秘蔵度:★★★★★★☆ 若き才能に呼応してオケのやる気がみなぎる

丸みを帯びた音だが統制はしっかりしている。ただ強制ではない。共感が隅々まで感じられオケの音が活き活きとしているのが特徴。意外とテンポは速すぎず、堅苦しさは一切ない。この頃のフィルハーモニアはフルトヴェングラー、クレンペラー、カラヤンとなかなかのツワモノ指揮者と共演していただけに実力は確か。そのオケが30代のカンテルリの指揮にしっかり呼応しているあたりは、リハーサル含めて奏者ともども楽しかったのではないだろうか。

第1楽章
第4楽章