バルシャイ モスクワ室内O バロック音楽選

日本新世界。溝ラベル。比較的音が良い。不思議なことにオーボエの二曲だけの海外盤より音のバランスが良い。海外盤のほうはオケが鳴りすぎてしまう。

推薦度:★★★☆☆☆☆ 現代のバロック演奏に比べると腰が重いか
秘蔵度:★★★★☆☆☆ バルシャイの意外と珍しいバッハの協奏曲が含まれている。

バッハ フルート、ヴァイオリンとチェンバロのための協奏曲 (Bach Concerto for Flute, Violin and Cembalo concerto)

Fi:レオニード・ミロヴィッチ、Vn:ボリス・クーニェフ、Cemb:セルゲイ・ディジュール、指揮:ルドルフ・バルシャイ モスクワ室内O (Fl: L.Mirovich, Vn: B.Kuniev, Cenmb.: S.Dizhur, Cond.: R.Barshai Moscow CO)

推薦度:★★★☆☆☆☆ ちょっと重い感じ
秘蔵度:★★★★☆☆☆ 珍しいバルシャイのバッハの協奏曲

後押しするようなリズム感など少し重い感じと、ディジュールの存在感のあるチェンバロと可憐なフルートのミーロヴィッチ、誠実なヴァイオリンのクーニェフとなかなか聞かせてくれる。真面目に音符をしっかり鳴らしたわかりやすい演奏であり、この三人と通奏低音による二楽章が聞きもの。バルシャイの伴奏は器械体操張りに元気。

第1楽章
第2楽章

バッハ ヴァイオリンとオーボエのための協奏曲 (Bach Concerto for Ob and Viollin)

Ob:エフゲニー・ネパロ、Vn:アンドレイ・アブラメンコフ、指揮:ルドルフ・バルシャイ モスクワ室内O (Ob: E.Nepalo, Vn: A.Kuniyev, Cond.: R.Barshai Moscow CO)

推薦度:★★★★☆☆☆ 穏やかなバッハ
秘蔵度:★★★★☆☆☆ 珍しいバルシャイのバッハの協奏曲

後にボロディン弦楽四重奏団のセカンドヴァイオリンを務めるアブラメンコフのヴァイオリンソロは、少し線が細くオケに埋もれがちだが真面目でどの音もしっかり鳴らす。特に二楽章が良いか。ネパロのオーボエは結構特殊な鳴らし方をしている。少し鳴らしにくい楽器なのかたどたどしいところもあるが、あまり聞かないオーボエの音色で興味深い。バルシャイの伴奏はソロを浮き立たせるというよりは合奏協奏曲風でソロを取り込む堂々としたもの。

第1楽章
第3楽章

ヴィヴァルディ オーボエ協奏曲 ハ長調

Ob:エフゲニー・ネパロ 指揮:ルドルフ・バルシャイ モスクワ室内O (Ob: E.Nepalo, Vn:  Cond.: R.Barshai Moscow CO)

推薦度:★★★★☆☆☆ リズム鋭くどすの聞いたヴィヴァルディ
秘蔵度:★★★★☆☆☆ オーボエも伴奏もあまり聞かない音色

ヴィヴァルディの明るさは感じられずリズムが鋭く厳つい演奏。カクカクしている感じが面白いといえば面白い。ネパロのオーボエはここでも不思議な音色。乾いた管のようなチャルメラのような音がする。しかしバルシャイの伴奏はたいそう機械的。一糸乱れぬ合奏者の顔が目に浮かぶ。

同じ曲が含まれる海外盤。どこの盤だろうか。ドイツ当たりか。1970年代と思われるが。日本盤のほうがバランスが良い。