英Columbia盤。スパイラル。1950年代中頃のプレスだろうか。
ひそかにベートーヴェンピアノ協奏曲のマイベストとしているこのコンビの演奏はとても音に厚みがあってよい。そしてその厚みが重さとしてではなく暖かさとして伝わってくるので心地よい。
推薦度:★★★★★★☆ 充実した響きでもっと知られてよい
秘蔵度:★★★★★★☆ ステレオ盤があると思うがあっても高価だろう。モノラルでも十分。
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第3番 (Beethoven Piano Concerto No.3)
P:クラウディオ・アラウ、指揮:アルチェオ・ガリエラ フィルハーモニアO (P: C.Arrau, Cond.: A.Galliera)
推薦度:★★★★★★☆ オケ、ソロともに充実した響きでもっと知られてよい
秘蔵度:★★★★★★☆ モノラルでも聞きごたえあり。
質実剛健という言葉が合うだろうか。テクニックも素晴らしいがそれぞれの音が重みをもっていて重厚な響きとなっている。アラウもかなり若々しく流れもよいし見通しもよい。ドイツ人よりドイツ音楽に精通していると言われたらしいが、確かに納得させられる。ガリエラの伴奏もいつもながらにフィルハーモニアとの相性の良さと、充実した分厚い音ながら全体的なサウンドとしては明るい音色が特徴で、しっかりアラウと対抗している。
ベートーヴェン ピアノソナタ第26番「告別」 (Beethoven Piano Sonata No.26)
P:クラウディオ・アラウ (P: C.Arrau)
推薦度:★★★★★★☆ テクニックは安定しているがそれを表に出さずに響き重視
秘蔵度:★★★★★★☆ モノラルでも聞きごたえあり。
結構主観的で堂々と思うところを伝えてくる、とても説得力のある演奏になっている。音一つ一つに重みと深さがあり、壮年期のアラウの生き生きとした名演奏になっている。後年のフィリップスへの二種類の全集録音では、ともに安定感と風格があるが、ここではそれよりも力強さを感じるのが特徴。