米Mercuryの10インチ盤。スパイラル。1950年代中頃のプレスだろう。
日本語でアルベルトと呼ばれる指揮者は、ヘルベルトとルドルフと二人いて紛らわしい。しかも、ヘルベルトに、ルドフルに、アルベルト。どれも名前としてよくつかわれるので混乱してしまうが、ここではルドルフ・アルベルト。ちなみにこのルドルフとヘルベルトは血縁関係には無い。両者ともしっかりした指揮者。
推薦度:★★☆☆☆☆☆ 録音が重苦しい
秘蔵度:★★★★★☆☆ アルベルトとヘーガー。珍しい。
ベートーヴェン エグモント序曲 (Beethoven Egmont Overture)
指揮:ロベルト・ヘーガー ミュンヘンPO (Cond.: R.Heger, Munich PO)
推薦度:★★☆☆☆☆☆ 重厚だがちょっと推薦しにくい
秘蔵度:★★★★☆☆☆ 職人ヘーガーの珍しいエグモント
とても暗い演奏。録音だけのせいではないだろう。低音を中心にどすの効いた音響でなんとも不気味。アンサンブルは意外といい加減。そんなことよりも音楽の強さを求めている。アインザッツも揃わなくたって気にしない。そんな感じ。
ベートーヴェン コリオラン序曲 (Beethoven Coriolan Overtuer)
指揮:ルドルフ・アルベルト ミュンヘンPO (Cond.: R.Albert, Munich PO)
推薦度:★★☆☆☆☆☆ 重戦車のような演奏
秘蔵度:★★★★★☆☆ アルベルトのベートーヴェンは珍しい
真直球なエグモント。モノラル期のドイツのベートヴェンの王道という感じか。いかつい顔して演奏するのが普通。軽い音など一つもない。重々しい低音を中心に重厚な響きを作り上げている。もう少し鮮明な録音だったらもっと聞きごたえしただろう。アルベルトの隠れた名演。ただ一般的には推薦しにくいか。
ベートーヴェン レオノーレ序曲第3番 (Beethoven Leonore Overture No.3)
指揮:ルドルフ・アルベルト ミュンヘンPO (Cond.: R.Albert, Munich PO)
推薦度:★★☆☆☆☆☆ 重戦車のような演奏
秘蔵度:★★★★★☆☆ アルベルトのベートーヴェンは珍しい
重々しい迫力のある音。とにかく強く重く硬い音。ここでもいかつい顔した奏者が目に浮かぶ。ルドフル・アルベルトの一筋縄ではいかない指揮っぷりがなんとも凄まじい。こうした演奏する人はもういない。