1980年後半の日本フィル制作のレコード
日本フィルのこのシリーズは会場によってはデッドな録音でオケの非力さが前面に出てしまうこともあるが、ここ神奈川県民ホールでの録音は瑞々しくそして音の空間がうまく作れている。
推薦度:★★★★★☆☆ 正統派の名演
秘蔵度:★★★★★★★ 細部にこだわりもあり、ビエロフラーヴェクを大いに見直す名演
チャイコフスキー 交響曲第6番「悲愴」 (Tchaikovsky Symphony No.6)
指揮:イルジー・ビエロフラーヴェク 日本PO (Cond.: J.Beloflavek, Japan PO)
推薦度:★★★★★☆☆ 正統派の名演
秘蔵度:★★★★★★★ 細部にこだわりもあり、ビエロフラーヴェクを大いに見直す名演
妥当なテンポとバランス、盛り上げ方のうまさなど、ビエロフラーヴェクの丁寧な指揮ぶりが光り、緊張感をもって演奏をしているのが伝わってくる。スケールこそ大きくないが、低弦のゴリゴリした堂々とした音だったり、トランペットの鋭さや、金管全体のバランス、特に低音の充実感など、潔い思いっきり出した音がなかなか良いし、高弦や木管の旋律の納め方や間の取り方など指揮者とオケが一体となっていて、全体的になかなか好演奏である。この両者は演奏回数も多く信頼関係がしっかり築けていたのだろう。
第4楽章